最近はAIとか、それに絡めた話しばかりでしたが
久しぶりに船のお仕事のブログを書いてみます
小型船舶で行なう遊覧船とか散骨とか警戒船の仕事もしていますが
交通船の仕事をする事がありました
私自身、ロープ取りの為に船に乗った事がほとんどなくて
いつもいろいろな船に乗って操船(運転)しています
たかが小型船舶です……されど小型船舶です
船って1つ1つクセや特徴があって
動かし方も千差万別なんですよ~!
初心者や特定の船にしか乗った事がない人は
「船はどれも同じような動き」と言い切っちゃいますが
どれくらいの大きさか、どんな形、運転席はどこ
どのようにエンジンが何基搭載されているか、スラスターがあるか
当たり前のように操縦方法が変わります
「じゃぁ、これ操船して!」と言われてすぐに操船できない人は
「船はどれも同じような動き」とは決して言わないものです
横浜で赤灯台というと、ベイブリッジの下にある灯台か
みなとみらい、山下公園、大桟橋から見える赤灯台ですね
ベイブリッジの赤灯台はちょっと離れて見づらいので
横浜、赤灯台で検索かけると
「横浜北水堤灯台」が真っ先に表示されます
それしかないので……
でも「横浜北水堤灯台」という名称だと初めて意識しました
氷川丸のところにある「旧横浜東水堤灯台」とペアだったんですね
ネットで検索して初めて知りました
場所も赤灯台のペアとして相応しい場所
山下の方から伸びている防波堤の先に白灯台があったんですね
子供の頃この防波堤から花火大会を見ました
釣り人も渡船でやってきてよく見かけます
私も従兄をこの防波堤に渡した事が何度かあります

明治時代からある灯台だとは父からも聞いていましたが
知らない人も意外といるんですね
今回は従兄じゃなくて作業員の渡しをしました
その中で若い作業員の人は
灯台が明治の頃からあるのだと初めて聞いたそうで
「じゃぁ、歴史をかみ締めて仕事をしなくちゃ」と言っていました
「でも何度か建て変えてるんでしょ」と年配の作業員の方は言われ
確かに上の保安庁のリンクを見ると
船が当たって壊れちゃった写真は……大変な事になってますね
昨日もそうして、朝は作業員の方を赤灯台にお送りして
夕方迎えに行ったんです
ちょうど夕方4時半ごろ……鶴見のつばさ橋で
コンテナを運ぶトレーラーがコンテナを倒しちゃった頃
船着場に戻ってきたんです
雷が鳴って突風が吹き、みぞれ交じりの土砂降りで着岸でした
わざわざ着岸するタイミングこんなになるとは……
斜めに着いちゃったのですが風で上手く真っ直ぐになってくれて
ちゃんとロープを取る事ができました
同じ頃、警戒船を運転していた知り合いも
「船着けるときヤバくなかった?」と言っていました
なので船そのものだけでなく
急激に海や気象の状況で操船の具合も変わってしまいます
まぁ船自体の操作性というのは
どういう状況でも重要になってきます
以前は小型船舶の免許も区分が細かくて
4級の5トン未満と3級など5トン以上では
実技試験で乗る船の大きさが違っていました
ただ実際は小型船舶も大きさや性能や特性が様々なので
小さなボートのみで実技試験を行ない
資格取得後に実際に乗る船での操船経験を積む形になっています
普通に考えてモーターボートで実技に合格しただけで
10トンくらいの船や定員数十人の遊覧船や交通船で
「安全に人を運べます」とは言えないでしょ?
作業船をしている人からすると
「小型船舶免許とか言って、ろくに10トンの船すら動かせない」
という人がいますが……
「あなたのところで必要な船をちゃんと動かせるように
教えてあげてください」
小型船舶免許の敷居を上げてしまうと
業務で必要な船を操縦する機会すらないという事です
日本人は自分で自分の首を絞めるのが得意だから仕方ない事ですが
視点のズレ方が甚だしい
知床の事故にしても船長の技能不足では全くなくて
まぁ、その場所での経験が不足していたのかもしれませんが
(ハッチ閉め忘れ)出航前の準備が怠っていたり……
それより壊れたハッチの船をそのまま使わせていたり
海域の状況、水温にもかかわらず
連絡手段も確実でない状態で運航させていた
操船経験のない人間または操船経験未熟な人間が
会社を経営しているのが問題ですね
あの事故で小型船舶の操縦資格の難易度を上げる方向に動くのは
視点のズレ、というか現場を知らないという事です
運航会社をどのような人間が経営しているかが問題です